EOLR入門番外編 Misoriented centerについて
- 2019/12/13
- 00:00
本記事はSpeedcubing Advent Calendar第13日目、「EOLR入門」の補足記事となります。内容自体はEOLRではありませんが、EOLRをやる上で必要になる重要な内容ですのでこのように番外編と称して補足記事を書くことにいたしました。EOLRの知識は必要ではありませんがRoux methodの用語を使って解説をするので用語に不安のある方は本編の0項を事前に参照してください。ついでに本編も読んでね!
さて、早速本題へ移ります。本記事で取り上げる内容は、Misoriented Centerです。読み方は、「みすおりえんてっど せんたー」。
ざっくり言うと、「センターの向きが正しくない状態で4b以降の処理をする技術」です。文だけで伝えるのは不可能、早速例を出します。皆さんもお手元にキューブを用意して一緒に追ってみてください。
Scramble:U2 M U M2 U'

(画像はU面黄色、F面青でスクランブルした場合。これに基づき解説を進めます)
この状態はLSEではEOを始める以前に、センターの向きが正しくありませんね。正しい向きならば、U面も向いているセンターの色は黄色か白のはずです。そしてU面のエッジも見ると全部Bad Edgeです。つまりこの状態のU面は「センターもエッジも向きが全く正しくない状態」であると言えます。
一方、D面はどうでしょうか。センターの向きはもちろん正しくない状態ですが、DF,DBはそれぞれ向きが正しくULURエッジが入っています。
この状態、AUF+M2でULURエッジを揃えることが可能です。そして、センターとエッジは全て向きが正しくない。
・・・これって、
正しくないセンターとエッジの向きが全て正しいものとみなせばEO完了してるっていえるからそのままULURを処理してもいいのでは?
これこそがMisoriented Centerなのです。U面のエッジもセンターも全部向きが正しくないからこそ正しいものとして処理してもいいのでは?という逆転の発想とでもいうべき技術です。

右の状態がLSEで普段見る、エッジもセンターも向きが正しい状態です。これと同じ状態であるとみなしているということですね。
ちゃんと文でMisoriented Centerの内容を書くと、ULURエッジは正しい向きでともにD面にあるが、それ以外のエッジ及びセンターの向きは一切正しくない場合、EO処理は完了したとみなし、そのままULURエッジを揃えていくということです。
実際には向きは正しくないので4cで向き合わせのためにMやM'を単体で行います。
今回のSolutionはU M2 U' M' U2(つまり、逆スクランブル)ですが、これを1手ずつ区切って見ていくと、
U//AUF
M2//ULURを揃えた
U'//AUF
M'//向きを揃えた
U2//AUF
という感じになります。
さて、なんだか便利そうな(実際便利です)技術ですが、ここでひとつ疑問が生じる方もいるかもしれません。「4cの先読みどうするの?」と。
結論から言いましょう。できます。詳しい内容はここでは割愛しますが(4c先読み方法を知らないという方はこちらをご覧ください。かそきゅーぶ様のLSE先読みガイドです)、いつもU面およびD面色で判断していたことをF面およびB面色でやればいいだけなのですから。センター交換回避も同様に可能です。
以上がMisoriented Centerの紹介となります。あとはいくつか例を挙げて本記事は終わりとします。最後にちょっとしたおまけもあるよ。
Example1
Scramble:U M' U' M U M2 U M' U M' U' M' U' M' U' M

Solution:U' M2 U' M' U2 M' U2 M2 U2 M'
<解説>
U'//AUF、このときUFが青色と覚えておく
M2//ULUR Solved
U'//AUF(先ほどUFは青と覚えたのでULにあった青がUFに来る方向)
M'//U面センターと異なる色であるUFがU面に残る方向にM列を動かした
U2 M' U2 M2 U2 M'//Finish
最後に平行交換が来るタイプでした。可能であればこれを読めるとエレガント。なお、その場合のSolutionはU' M2 U M2 U2 M' U2 M2です。6手目のM'で向き直しをしています。
Example2
Scramble:U' M' U' M' U' M U' M U' M' U M U2 M'

Solution:U' M2 U' M' U2 M' U2 M
<解説>
U'//AUF、ここでUFは青色と覚えておく
M2//ULUR Solved
U'//AUF(先ほどUFは青色と覚えたのでULにあった青色がUFに来る方向)
M'//U面センターと異なる色であるUFがU面に残る方向にM列を動かした
U2 M' U2 M//Finish
4手目M'は普通の4cの先読み方法で動かしていますが、同時にエッジの向き合わせも行っています。
Example3
Scramble:U2 M U' M U2 M U2 M U' M' U' M' U' M U' M U' M

Solution:U' M' U2 M2 U2 M' U M'
<解説>
U'//AUF
M' U2 M2 U2 M'//Dots Skip(センター交換回避)
U//AUF
M'//Finish
普通にAUFしてM2するとセンター交換の形が来ます。Misoriented Centerなのでやろうと思えばM2後に回避も可能ですが面倒なのでULURエッジを揃えるタイミングでセンター交換回避手順を回すのがいいでしょう(センター交換回避の判断、手順等の詳しい解説はここでは割愛させていただきます)。
おまけ
Roux method適性診断
あなたがRoux methodに向いているかどうかを簡単に診断します。以下のフローチャートをご覧ください。

ここから先は診断してからの閲覧を推奨します
(1)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
興味があるということは言うまでもなく適性があるでしょう。その調子でどんどんM列を回していきましょう!
(2)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
M列系PLLが好きということはM列を沢山動かすRoux methodの適性があると言えるでしょう。
(3)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
持ち替え不要で平均手数や覚える手順の総数もCFOPより少なめであるRoux methodはあなたの片手ライフを豊かなものにすることでしょう。さぁ、机にキューブを押し付けて片手でM列を回してみましょう!
(4)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
Roux methodにはBlock Building的要素を含むパートがあります。M列を回す以外のRoux methodの面白さにいち早く気づくことができるでしょう。もちろん、M列の楽しさも。
(5)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
よほど変なホールドの仕方をしていないのであれば、恐らくあなたのホールドはLSE中のそれと近いはずです。そのホールドをRoux methodで活かしてみませんか?
(6)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
Roux methodでのソルブは寿司のように至福の時間をあなたに与えるでしょう。しかも寿司と違ってキューブさえあればいつでもその幸せを噛みしめられるのです。さぁ、M列を回しましょう!
フローチャートの循環から抜け出せないあなた
素直に寿司を好きになるかRoux methodをやってみましょう!意外と面白いですよ。
これだけは言っておきたいのですが別に私はCFOPが嫌いというわけではありません。ただ、Roux method使用者、使用者でなくてもRoux methodをある程度知っている人が増えて、そういった人たちとRouxの話ができたらいいなと思っているのです。
なぁ…Roux method、しようや…
さて、早速本題へ移ります。本記事で取り上げる内容は、Misoriented Centerです。読み方は、「みすおりえんてっど せんたー」。
ざっくり言うと、「センターの向きが正しくない状態で4b以降の処理をする技術」です。文だけで伝えるのは不可能、早速例を出します。皆さんもお手元にキューブを用意して一緒に追ってみてください。
Scramble:U2 M U M2 U'

(画像はU面黄色、F面青でスクランブルした場合。これに基づき解説を進めます)
この状態はLSEではEOを始める以前に、センターの向きが正しくありませんね。正しい向きならば、U面も向いているセンターの色は黄色か白のはずです。そしてU面のエッジも見ると全部Bad Edgeです。つまりこの状態のU面は「センターもエッジも向きが全く正しくない状態」であると言えます。
一方、D面はどうでしょうか。センターの向きはもちろん正しくない状態ですが、DF,DBはそれぞれ向きが正しくULURエッジが入っています。
この状態、AUF+M2でULURエッジを揃えることが可能です。そして、センターとエッジは全て向きが正しくない。
・・・これって、
正しくないセンターとエッジの向きが全て正しいものとみなせばEO完了してるっていえるからそのままULURを処理してもいいのでは?
これこそがMisoriented Centerなのです。U面のエッジもセンターも全部向きが正しくないからこそ正しいものとして処理してもいいのでは?という逆転の発想とでもいうべき技術です。

右の状態がLSEで普段見る、エッジもセンターも向きが正しい状態です。これと同じ状態であるとみなしているということですね。
ちゃんと文でMisoriented Centerの内容を書くと、ULURエッジは正しい向きでともにD面にあるが、それ以外のエッジ及びセンターの向きは一切正しくない場合、EO処理は完了したとみなし、そのままULURエッジを揃えていくということです。
実際には向きは正しくないので4cで向き合わせのためにMやM'を単体で行います。
今回のSolutionはU M2 U' M' U2
U//AUF
M2//ULURを揃えた
U'//AUF
M'//向きを揃えた
U2//AUF
という感じになります。
さて、なんだか便利そうな(実際便利です)技術ですが、ここでひとつ疑問が生じる方もいるかもしれません。「4cの先読みどうするの?」と。
結論から言いましょう。できます。詳しい内容はここでは割愛しますが(4c先読み方法を知らないという方はこちらをご覧ください。かそきゅーぶ様のLSE先読みガイドです)、いつもU面およびD面色で判断していたことをF面およびB面色でやればいいだけなのですから。センター交換回避も同様に可能です。
以上がMisoriented Centerの紹介となります。あとはいくつか例を挙げて本記事は終わりとします。最後にちょっとしたおまけもあるよ。
Example1
Scramble:U M' U' M U M2 U M' U M' U' M' U' M' U' M

Solution:U' M2 U' M' U2 M' U2 M2 U2 M'
<解説>
U'//AUF、このときUFが青色と覚えておく
M2//ULUR Solved
U'//AUF(先ほどUFは青と覚えたのでULにあった青がUFに来る方向)
M'//U面センターと異なる色であるUFがU面に残る方向にM列を動かした
U2 M' U2 M2 U2 M'//Finish
最後に平行交換が来るタイプでした。可能であればこれを読めるとエレガント。なお、その場合のSolutionはU' M2 U M2 U2 M' U2 M2です。6手目のM'で向き直しをしています。
Example2
Scramble:U' M' U' M' U' M U' M U' M' U M U2 M'

Solution:U' M2 U' M' U2 M' U2 M
<解説>
U'//AUF、ここでUFは青色と覚えておく
M2//ULUR Solved
U'//AUF(先ほどUFは青色と覚えたのでULにあった青色がUFに来る方向)
M'//U面センターと異なる色であるUFがU面に残る方向にM列を動かした
U2 M' U2 M//Finish
4手目M'は普通の4cの先読み方法で動かしていますが、同時にエッジの向き合わせも行っています。
Example3
Scramble:U2 M U' M U2 M U2 M U' M' U' M' U' M U' M U' M

Solution:U' M' U2 M2 U2 M' U M'
<解説>
U'//AUF
M' U2 M2 U2 M'//Dots Skip(センター交換回避)
U//AUF
M'//Finish
普通にAUFしてM2するとセンター交換の形が来ます。Misoriented Centerなのでやろうと思えばM2後に回避も可能ですが面倒なのでULURエッジを揃えるタイミングでセンター交換回避手順を回すのがいいでしょう(センター交換回避の判断、手順等の詳しい解説はここでは割愛させていただきます)。
おまけ
Roux method適性診断
あなたがRoux methodに向いているかどうかを簡単に診断します。以下のフローチャートをご覧ください。

ここから先は診断してからの閲覧を推奨します
(1)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
興味があるということは言うまでもなく適性があるでしょう。その調子でどんどんM列を回していきましょう!
(2)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
M列系PLLが好きということはM列を沢山動かすRoux methodの適性があると言えるでしょう。
(3)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
持ち替え不要で平均手数や覚える手順の総数もCFOPより少なめであるRoux methodはあなたの片手ライフを豊かなものにすることでしょう。さぁ、机にキューブを押し付けて片手でM列を回してみましょう!
(4)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
Roux methodにはBlock Building的要素を含むパートがあります。M列を回す以外のRoux methodの面白さにいち早く気づくことができるでしょう。もちろん、M列の楽しさも。
(5)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
よほど変なホールドの仕方をしていないのであれば、恐らくあなたのホールドはLSE中のそれと近いはずです。そのホールドをRoux methodで活かしてみませんか?
(6)に着いたあなた
Roux methodの適性があります。
Roux methodでのソルブは寿司のように至福の時間をあなたに与えるでしょう。しかも寿司と違ってキューブさえあればいつでもその幸せを噛みしめられるのです。さぁ、M列を回しましょう!
フローチャートの循環から抜け出せないあなた
素直に寿司を好きになるかRoux methodをやってみましょう!意外と面白いですよ。
これだけは言っておきたいのですが別に私はCFOPが嫌いというわけではありません。ただ、Roux method使用者、使用者でなくてもRoux methodをある程度知っている人が増えて、そういった人たちとRouxの話ができたらいいなと思っているのです。
なぁ…Roux method、しようや…
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