EOLR実戦 (2o/0編)
- 2020/04/04
- 23:53
ほう…「EOLR」ねぇ…
確かに、君は正しく、そして幸運だ
まさにRouxのM列、そのsubstepだけが…君を導くだろう
だが、CFOPerに語るべき法もない
だから君、まずは我ら、RouxのM列を受け入れたまえよ…
みなさまごきげんよう。最近はヤーナムで獣狩りにいそしんでおります。まぁそれはさておき、この前アドカレ記事として書かせていただいたEOLR入門は多くの方に読んでいただけたようで何よりです。ありがとうございます。本記事は、その続編として具体的にそれぞれのEOケースにおけるEOLRを紹介していきたいと思います。
繰り返しになりますが本記事は「EOLR入門」の続編となっております。前回の記事で書いたことは理解している方向けの内容となっております。すなわち、Roux method、特にLSEにおける各種用語および「EOLRとはBestまたはGood Arrowを作った後、それを処理することである」という言葉の意味を理解している前提で進めていきます。もし、それらの理解度が微妙という方は申し訳ありませんが前回の記事を先にご覧ください。お急ぎの方は第0、1、4項だけで大丈夫です。
→EOLR入門
さて、今回は2o/0を見ていきましょう。

2o/0はU面の対面するふたつのエッジのみがBad Edgeである場合です。2o/0には6つのパターンがあります。
1.Best case(UR,DB)
Scramble:M U2 M U2 M' U M2 U M U' M U M'

Solution:M U' M' U M'
<解説>
Best caseはULURエッジが、片方はU面のGood Edgeであり、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジがU面に来る方向にM列を回します。次に、1手目で動いたULURエッジがいる位置にもう片方のULURエッジが行くようにU面を回します。そして、1手目と逆の方向にM列を回すとBest Arrowが出現します。コミュテータを理解している方なら、U面ULURエッジをD面ULURエッジがある位置にインサートしていると言った方が伝わりやすいかもしれません。
2.Good case(UF,UB)
Scramble:U' M U' M' U M U' M'

Solution:M' U' M U M' U' M'
<解説>
Good caseはULURエッジがいずれもU面のBad Edgeである場合です。
この場合は、M' U' Mを回すことでGood Arrowが出現します。M' U M、M U' M'、M U M'でもOKです。どうあがいてもGood Arrowが出てくる上に判断も非常に簡単なのでむしろこちらの方がBest caseかもしれませんね。
3.Stack case(UF,DF)
Scramble:U' M' U' M' U' M U M'

Solution:M U' M' U M U M'
<解説>
Stack caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeであり、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、はじめにD面のULURエッジの真上にU面のULURエッジが来るように調整します。1手目は2つのULURエッジがともにD面に来る方向にM列を回します。2手目はUでもU'のどちらかを回します。どちらでも構いません。最後に、1手目と逆の方向にM列を回すとGood Arrowが出現します。なお、"stack"とは積み重ね、堆積といった意味合いがあり、本ケースの処理ではULURエッジを積み重ねているような位置関係から始まるためについた名前でしょう。
4.Adjacent case(UR,UB)
Scramble:U' M' U' M2 U M U M U' M'

Solution:M U M' U' M U' M
<解説>
Adjacent caseはULURエッジが、それぞれU面のGood EdgeとBad Edgeである場合です。
この場合は、まずBad Edgeの方のULURエッジがU面に残る方向にM列を回します。次に、1手目で動いたULURエッジがいる位置にもう片方のULURエッジが行くようにU面を回します。そして、1手目と逆の方向にM列を回すとGood Arrowが出現します。
5.Bad case(UR,UL)
Scramble:M U' M' U' M' U2 M U' M U' M

Solution:M' U' M' U' M' U2 M U' M'
<解説>
Bad caseはULURエッジがいずれもU面のGood Edgeである場合です。
この場合はM' U' M' U' M' U2 Mを回すとBest Arrowが出現します。途中、2a/2を経由しているので少し手数が長くなっています。普段通りの処理をしても問題ないでしょう。
6.Worst case(DF,DB)
Scramble:U' M U' M' U' M' U2 M U' M U' M

Solution 1:U' M' U2 M' U' M U' M' U M'
Solution 2:R U R' U' M' U R U' r'
<解説>
Worst caseはULURエッジがいずれもD面にある場合です。
この場合はU' M' U2 M'で2o/0のBest caseにしてからそれを処理します、これは面倒なのでオススメしません。しかし、このパターンには意外な抜け穴があり、それがSolution 2で、みなさんご存知OLL57です。LSEかと言われると微妙な気もしますがSolution 1よりはマシと考えています。EOLRを考えず普通に処理するか、Solution 2を使うのが良いでしょう。
総評
判断が比較的簡単である上に処理も簡単なケースが多いのでこのEOのEOLRを使いこなせるようになるのはそこまで苦労することはないと思われます。ぜひ使えるようになりましょう。
最後になりますが、こんなイロモノ記事を読んでくださりありがとうございました。やる気があれば他のEOについても書いていきたいと思います。それと、Worst caseの抜け穴を教えてくれた、らいひー君にこの場を借りて感謝申し上げます。
M列狩りの夜がはじまる。
確かに、君は正しく、そして幸運だ
まさにRouxのM列、そのsubstepだけが…君を導くだろう
だが、CFOPerに語るべき法もない
だから君、まずは我ら、RouxのM列を受け入れたまえよ…
みなさまごきげんよう。最近はヤーナムで獣狩りにいそしんでおります。まぁそれはさておき、この前アドカレ記事として書かせていただいたEOLR入門は多くの方に読んでいただけたようで何よりです。ありがとうございます。本記事は、その続編として具体的にそれぞれのEOケースにおけるEOLRを紹介していきたいと思います。
繰り返しになりますが本記事は「EOLR入門」の続編となっております。前回の記事で書いたことは理解している方向けの内容となっております。すなわち、Roux method、特にLSEにおける各種用語および「EOLRとはBestまたはGood Arrowを作った後、それを処理することである」という言葉の意味を理解している前提で進めていきます。もし、それらの理解度が微妙という方は申し訳ありませんが前回の記事を先にご覧ください。お急ぎの方は第0、1、4項だけで大丈夫です。
→EOLR入門
さて、今回は2o/0を見ていきましょう。

2o/0はU面の対面するふたつのエッジのみがBad Edgeである場合です。2o/0には6つのパターンがあります。
1.Best case(UR,DB)
Scramble:M U2 M U2 M' U M2 U M U' M U M'

Solution:M U' M' U M'
<解説>
Best caseはULURエッジが、片方はU面のGood Edgeであり、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジがU面に来る方向にM列を回します。次に、1手目で動いたULURエッジがいる位置にもう片方のULURエッジが行くようにU面を回します。そして、1手目と逆の方向にM列を回すとBest Arrowが出現します。コミュテータを理解している方なら、U面ULURエッジをD面ULURエッジがある位置にインサートしていると言った方が伝わりやすいかもしれません。
2.Good case(UF,UB)
Scramble:U' M U' M' U M U' M'

Solution:M' U' M U M' U' M'
<解説>
Good caseはULURエッジがいずれもU面のBad Edgeである場合です。
この場合は、M' U' Mを回すことでGood Arrowが出現します。M' U M、M U' M'、M U M'でもOKです。どうあがいてもGood Arrowが出てくる上に判断も非常に簡単なのでむしろこちらの方がBest caseかもしれませんね。
3.Stack case(UF,DF)
Scramble:U' M' U' M' U' M U M'

Solution:M U' M' U M U M'
<解説>
Stack caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeであり、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、はじめにD面のULURエッジの真上にU面のULURエッジが来るように調整します。1手目は2つのULURエッジがともにD面に来る方向にM列を回します。2手目はUでもU'のどちらかを回します。どちらでも構いません。最後に、1手目と逆の方向にM列を回すとGood Arrowが出現します。なお、"stack"とは積み重ね、堆積といった意味合いがあり、本ケースの処理ではULURエッジを積み重ねているような位置関係から始まるためについた名前でしょう。
4.Adjacent case(UR,UB)
Scramble:U' M' U' M2 U M U M U' M'

Solution:M U M' U' M U' M
<解説>
Adjacent caseはULURエッジが、それぞれU面のGood EdgeとBad Edgeである場合です。
この場合は、まずBad Edgeの方のULURエッジがU面に残る方向にM列を回します。次に、1手目で動いたULURエッジがいる位置にもう片方のULURエッジが行くようにU面を回します。そして、1手目と逆の方向にM列を回すとGood Arrowが出現します。
5.Bad case(UR,UL)
Scramble:M U' M' U' M' U2 M U' M U' M

Solution:M' U' M' U' M' U2 M U' M'
<解説>
Bad caseはULURエッジがいずれもU面のGood Edgeである場合です。
この場合はM' U' M' U' M' U2 Mを回すとBest Arrowが出現します。途中、2a/2を経由しているので少し手数が長くなっています。普段通りの処理をしても問題ないでしょう。
6.Worst case(DF,DB)
Scramble:U' M U' M' U' M' U2 M U' M U' M

Solution 1:U' M' U2 M' U' M U' M' U M'
Solution 2:R U R' U' M' U R U' r'
<解説>
Worst caseはULURエッジがいずれもD面にある場合です。
この場合はU' M' U2 M'で2o/0のBest caseにしてからそれを処理します、これは面倒なのでオススメしません。しかし、このパターンには意外な抜け穴があり、それがSolution 2で、みなさんご存知OLL57です。LSEかと言われると微妙な気もしますがSolution 1よりはマシと考えています。EOLRを考えず普通に処理するか、Solution 2を使うのが良いでしょう。
総評
判断が比較的簡単である上に処理も簡単なケースが多いのでこのEOのEOLRを使いこなせるようになるのはそこまで苦労することはないと思われます。ぜひ使えるようになりましょう。
最後になりますが、こんなイロモノ記事を読んでくださりありがとうございました。やる気があれば他のEOについても書いていきたいと思います。それと、Worst caseの抜け穴を教えてくれた、らいひー君にこの場を借りて感謝申し上げます。
M列狩りの夜がはじまる。
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