EOLR実戦 (2a/0編)
- 2020/07/15
- 17:20
-M列は大事と存じます。回せば回すほど早くなり、沼にハマりましょう。
言わずもがな、Roux methodの沼が実に深いことは周知の事実ですね。キューブそれ自体がそもそも底なしの沼ではありますが。
ときに、私の人生を振り返ると、今日までに実際の湿地としての沼を見たことが無いように感じます。いやもしかしたら一度くらいはあるのかもしれませんが…これは私の人生の色彩が薄いのでしょうか。それとも他の方もそうなのでしょうか。あるいは、知らないだけで日常の中にも沼が潜んでいるのでしょうか…。
よくわからなくなってきたところで本題に移りましょう。本記事は、「EOLR入門」の続編です。また、予め「EOLR実戦(1/1編)」の内容もある程度は理解しておくとスムーズに読み進められます。必要に応じてこちらもぜひお読みください。
今回は、2a/0を見ていきましょう。

2a/0は、U面の隣接したふたつのエッジのみがBad Edgeである場合です。
ふつう、2a/0は画像の位置からM' U M'をすることでArrowにします。解説に必要となるため、ここではこれを「普段通りの処理」と呼ぶことにします。もし、Bad EdgeがURとUBの位置にある場合はM' U' M'となります。
2a/0には7つのパターンがあります。
1.Best case (UB,UR)
Scramble:M U' M U2 M U' M

Solution:M' U M' U2 M
<解説>
Best caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方がそれに隣接したGood Edgeである場合です。
この場合は、まずBad EdgeであるULURエッジがM列上に来るようにU面を動かし、MまたはM'をした後、U面に残ったULURエッジを、D面のうちULURエッジが無い方の真上に持っていき、それがUBならM U2 M',UFならM' U2 Mを回せば完了です。その先はMisoriented centerとして処理していきます。
1/1のQuick EO caseの親戚ですね(実際、このケースはQuick EO caseをM2したものともいえます)。
2.Great case (UL,DF)
Scramble:U' M U' M U2 M U' M

Solution:M' U M' U2 M' U M
<解説>
Great caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジに対して立体的な対角の位置にULURエッジでない方のBad Edgeを動かします。具体的には、D面のULURエッジがDFならUBに、DBならUFに動かします。次に、その位置から普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します。
3.Stack case (UF,DF)
Scramble:M U' M U' M' U' M' U' M2

Solution1:M2 U M U M U M
Solution2:U2 M U M' U2 M U' M'
<解説>
Stack caseはULURエッジが、片方はU面のGood Edgeで、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジの真上にU面のULURエッジが来るようにAUFをし、そこからM2をすると1/1のGood caseが出現します(Solution1)。
また、最初にD面のULURエッジに対して立体的な対角の位置にULURエッジを動かし、その位置から普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します(Solution2)。好きな方を選択しましょう。
4.Bottom case (DF,DB)
Scramble:U' M U' M U2 M' U' M

Solution:M' U M' U2 M' U' M'
<解説>
Bottom caseはULURエッジが、ともにD面にある場合です。
この場合は、普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します。
5.Adjacent case(UF,UR)
Scramble:M U' M U M' U2 M U' M U' M

Solution:M' U M' U M' U2 M U' M
<解説>
Adjacent caseはULURエッジが、ともにU面のGood Edgeである場合です。
この場合は、普段通り2a/0を処理するように回すとAdjacent Arrowが出現します。
6.Bad case (UF,UB)
Scramble:M U' M U M' U2 M U' M' U' M

Solution:M U' M' U' M U' M' U' M'
<解説>
Bad caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方はその対面上のGood Edgeである場合です。
この場合は、まずふたつのULURエッジがM列上にあるようにAUFをします。次に、Bad EdgeであるULURエッジがU面に残る方向にM列を回し、続いてもう片方のBad EdgeがU面に残ったULURエッジがいた位置に来るようにAUFをし、その後1手目と逆の方向にM列を回すと1/1のGood caseが出現します。
7.Worst case (UB,UL)
Scramble:U' M' U M U' M' U' M U' M2

Solution1:M' U M' U M U' M' U' M
Solution2:M2 U M' U' M U' M' U M'
<解説>
Worst caseはULURエッジが、ともにU面のBad Edgeである場合です。
この場合は、普段通りの処理をするとBottom Arrowが出現します(Solution1)。
また、M2をすることで1/1のUF is LR caseになるのでそれを処理しても良いでしょう(Solution2)。
総評とか
判断の難易度は比較的簡単な部類です。処理内容も易しめのケースが多いので使えるようにしておきたいところ。
ここでネタバラシをひとつ。私が紹介しているEOLRですが、既に海外に先駆者がいて、ある方がEOLRについてまとめられていたものを和訳、適宜自分が分かりやすいように修正したのがEOLR実戦シリーズです。ありがとう、先駆者兄貴。
なお、入門編のEOLRの本質にかかわる内容等はKianのEOLR解説動画も参考にさせていただきました。
言わずもがな、Roux methodの沼が実に深いことは周知の事実ですね。キューブそれ自体がそもそも底なしの沼ではありますが。
ときに、私の人生を振り返ると、今日までに実際の湿地としての沼を見たことが無いように感じます。いやもしかしたら一度くらいはあるのかもしれませんが…これは私の人生の色彩が薄いのでしょうか。それとも他の方もそうなのでしょうか。あるいは、知らないだけで日常の中にも沼が潜んでいるのでしょうか…。
よくわからなくなってきたところで本題に移りましょう。本記事は、「EOLR入門」の続編です。また、予め「EOLR実戦(1/1編)」の内容もある程度は理解しておくとスムーズに読み進められます。必要に応じてこちらもぜひお読みください。
今回は、2a/0を見ていきましょう。

2a/0は、U面の隣接したふたつのエッジのみがBad Edgeである場合です。
ふつう、2a/0は画像の位置からM' U M'をすることでArrowにします。解説に必要となるため、ここではこれを「普段通りの処理」と呼ぶことにします。もし、Bad EdgeがURとUBの位置にある場合はM' U' M'となります。
2a/0には7つのパターンがあります。
1.Best case (UB,UR)
Scramble:M U' M U2 M U' M

Solution:M' U M' U2 M
<解説>
Best caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方がそれに隣接したGood Edgeである場合です。
この場合は、まずBad EdgeであるULURエッジがM列上に来るようにU面を動かし、MまたはM'をした後、U面に残ったULURエッジを、D面のうちULURエッジが無い方の真上に持っていき、それがUBならM U2 M',UFならM' U2 Mを回せば完了です。その先はMisoriented centerとして処理していきます。
1/1のQuick EO caseの親戚ですね(実際、このケースはQuick EO caseをM2したものともいえます)。
2.Great case (UL,DF)
Scramble:U' M U' M U2 M U' M

Solution:M' U M' U2 M' U M
<解説>
Great caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジに対して立体的な対角の位置にULURエッジでない方のBad Edgeを動かします。具体的には、D面のULURエッジがDFならUBに、DBならUFに動かします。次に、その位置から普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します。
3.Stack case (UF,DF)
Scramble:M U' M U' M' U' M' U' M2

Solution1:M2 U M U M U M
Solution2:U2 M U M' U2 M U' M'
<解説>
Stack caseはULURエッジが、片方はU面のGood Edgeで、もう片方はD面にある場合です。
この場合は、まずD面のULURエッジの真上にU面のULURエッジが来るようにAUFをし、そこからM2をすると1/1のGood caseが出現します(Solution1)。
また、最初にD面のULURエッジに対して立体的な対角の位置にULURエッジを動かし、その位置から普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します(Solution2)。好きな方を選択しましょう。
4.Bottom case (DF,DB)
Scramble:U' M U' M U2 M' U' M

Solution:M' U M' U2 M' U' M'
<解説>
Bottom caseはULURエッジが、ともにD面にある場合です。
この場合は、普段通り2a/0を処理するように回すとGood Arrowが出現します。
5.Adjacent case(UF,UR)
Scramble:M U' M U M' U2 M U' M U' M

Solution:M' U M' U M' U2 M U' M
<解説>
Adjacent caseはULURエッジが、ともにU面のGood Edgeである場合です。
この場合は、普段通り2a/0を処理するように回すとAdjacent Arrowが出現します。
6.Bad case (UF,UB)
Scramble:M U' M U M' U2 M U' M' U' M

Solution:M U' M' U' M U' M' U' M'
<解説>
Bad caseはULURエッジが、片方はU面のBad Edgeで、もう片方はその対面上のGood Edgeである場合です。
この場合は、まずふたつのULURエッジがM列上にあるようにAUFをします。次に、Bad EdgeであるULURエッジがU面に残る方向にM列を回し、続いてもう片方のBad EdgeがU面に残ったULURエッジがいた位置に来るようにAUFをし、その後1手目と逆の方向にM列を回すと1/1のGood caseが出現します。
7.Worst case (UB,UL)
Scramble:U' M' U M U' M' U' M U' M2

Solution1:M' U M' U M U' M' U' M
Solution2:M2 U M' U' M U' M' U M'
<解説>
Worst caseはULURエッジが、ともにU面のBad Edgeである場合です。
この場合は、普段通りの処理をするとBottom Arrowが出現します(Solution1)。
また、M2をすることで1/1のUF is LR caseになるのでそれを処理しても良いでしょう(Solution2)。
総評とか
判断の難易度は比較的簡単な部類です。処理内容も易しめのケースが多いので使えるようにしておきたいところ。
ここでネタバラシをひとつ。私が紹介しているEOLRですが、既に海外に先駆者がいて、ある方がEOLRについてまとめられていたものを和訳、適宜自分が分かりやすいように修正したのがEOLR実戦シリーズです。ありがとう、先駆者兄貴。
なお、入門編のEOLRの本質にかかわる内容等はKianのEOLR解説動画も参考にさせていただきました。
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