夏休みの自由研究 UFUB,EOFB
- 2020/08/24
- 20:13
はじめに
本記事で紹介されている技術は自分では扱えないと考え、過去にお蔵入りさせていたものです。かといって残さずに風化させてしまうのも惜しまれます。特にRoux methodに関係する内容ならば尚更の事です。故に、ここに書き残しておくことにします。悪い言い方をするならば、ここは私自身の思考のゴミ捨て場の一部分に過ぎません。
本記事ではUFUB,EOFBという技術について考えてみます。
UFUBとは、LSEにおいてULURエッジの代わりとして文字通りUFUBエッジを用いることであり、EOFBはEO処理とUFUBエッジのD面セットを同時に行う技術です。つまり、EOFBはEOLRのUFUB版といえます。百聞は一見に如かず。さっそく例を見ていきましょう。なお、本記事内で用いる画像は黄色U面、青色F面を基準としています。
EOFB Examples
Example1
Scramble:M' U' M' U' M' U2 M' U

Solution(normally):U' M' U2 M U' M' U M2 U2 M'
Solution(EOFB):M' U M' U M' U2 M' U'
M' U M//EOFB
M2//UFUB
U M' U2 M' U'//Finish
<解説>
normallyについては特に言うこともありません。ただAdjacent Arrowを処理しているだけです。
ここで視点を少し変えてみましょう。ULURエッジの代わりにUFUBエッジを用いていたと考えます。すると、このArrowはAdjacentではなくGood Arrowとみなせます。
また、3点交換の判断も既存の方法で可能です。
Example2
Scramble:U' M U M U' M U' M' U M U2 M U

Solution(EOFB):M' U2 M' U2 M' U M U' M2 U' M' U2 M' U2 M2 U'
<具体的な流れ>
M' U2 M' U2 M' U M//EOFB
U' M2//UFUB
U' M' U2 M' U2 M2 U'//Finish
<解説>
ULURを見ると、このEOは4/0のBad caseですが、UFUBに注目するとGood caseです。このように、EOFBの利点はULURならあまり良くないケースでも、UFUBなら良いケースである場合があるということです。
Example3
Scramble:U M U' M U2 M' U M U' M U' M U2

Solution(EOFB):M' U' M' U2 M' U M' U' M2 U M U2 M U'
<具体的な流れ>
M' U' M' U2 M' U M'//EOFB
U' M2//UFUB
U M U2 M U'//Finish
<解説>
ULURを見ると、このEOは2a/0のWorst caseですが、UFUBに注目するとBottom caseです。
最後に、EOFBとmisoriented centerを使った処理の例を見てみます。
Example4
Scramble:M U' M U' M' U' M' U M2 U2

Solution1:M U' M U2 M' U' M2 U' M U2 M' U2 M' U
Solution2:M U' M U2 M' U' M2 U M' U2 M' U2 M U'
<解説>
ULURの視点では2a/0のStack caseですが、UFUBに注目すると2a/0のBest caseです。ULUR的にも悪くはありませんが敢えてUFUBで見てみます。Solution1と2はEOFBおよびUFUBが完了する7手目まで共通しており、次の8手目のAUFから分岐していますがどちらでも完成にかかる手数は同じです。ここで、6手目(EOFB完了)まで回した状態は以下の画像の通りです。

本来であればこの時点でAUF読みができます。それにはUFの色が必要となり、M2を回した後にそのUFの色と同じ色のパーツがUFに来るようにAUFをするというのが次のステップである4c先読みの方法でした。ところが、UFが赤色であるこの場合はどうすればいいのでしょうか?2つのSolutionから逆説的に考えて、この場合どちらにAUFしてもよいと言えるでしょう。もう少し深く突っ込んだ言い方をするなら、L面色(またはR面色)はF,B面どちらの色とみなしてもよいということです。Solution1ならば赤色を緑色に、Solution2ならば赤色を青色とみなして処理しています。
ただ、この考えはあくまで経験則に基づいた仮説なのでEOFBを使ってmisoriented centerにした場合の全てに言えるかは分かりません。
UFUBやEOFBは実用的か?
先にこの問いに答えておきます。実用的ではない可能性が高いです。
その理由は単純で、膨れ上がる判断の難易度に対して見合うだけの恩恵(すなわち、手数の削減)を得られないからです。LSEはそれなりのtpsを維持しつつもノンストップで回しやすいパートです。EOLR入門編の記事でも述べましたが、LSE中のたった数手を減らすために更なる判断をするべきなのかは微妙なところです。EOLRであれば辛うじてその恩恵が得られますが、UFUBやEOFBまで考えると恩恵は無いと言って過言ではないでしょう。また、苦労してEOFBを使って処理したとしても並行交換の出現により、そもそも手数を減らすこともできない可能性すらあるのです。EOFBはハイリスクローリターンと言えるでしょう。
しかし、私自身がUFUBを使っていないためこの結論が正しいとは言い切れません。よって、あくまで実用的ではない"可能性が高い"とぼやかした書き方にしておきます。
ところで、上の議論はスピード競技の観点から見たものです。もしかしたら、スピードはあまり関係がないFMCでRoux methodを用いる際に使えるのかもしれません。ただ、私はFMCに疎いので見当違いかもしれません。悪しからず。
さいごに
ULURの代わりとしてUFUBを用いるという考えはごく自然な流れであり、既にUFUBを紹介している動画もあります。Rouxの巨人、Kianが紹介しています。
そういった中でEOFBという概念が生まれることも同じく至極真っ当な流れであるといえるでしょう。FacebookのRouxerが集うグループでもEOFBという単語を見かけたことがあります。
また、本記事ではUFUBをあくまでULURの代わりとして紹介しましたが、Roux methodを知っている(が、Roux methodがメイン解法ではない)人で、LSEの4bをULURエッジではなくUFUBエッジで処理する人を見たことがあります。ナチュラルUFUBということですね。UFUBメインで4bを処理するのもアリかもしれませんが、ULURエッジは他のエッジと色が違っていて見つけやすいので私はULURでやることをお勧めします。
冒頭でも申し上げた通り、私にはこの技術は今のところ扱えそうにもありません。しかし、これを読んでくれた貴方なら或いは…(ここで手記は途切れている)
本記事で紹介されている技術は自分では扱えないと考え、過去にお蔵入りさせていたものです。かといって残さずに風化させてしまうのも惜しまれます。特にRoux methodに関係する内容ならば尚更の事です。故に、ここに書き残しておくことにします。悪い言い方をするならば、ここは私自身の思考のゴミ捨て場の一部分に過ぎません。
本記事ではUFUB,EOFBという技術について考えてみます。
UFUBとは、LSEにおいてULURエッジの代わりとして文字通りUFUBエッジを用いることであり、EOFBはEO処理とUFUBエッジのD面セットを同時に行う技術です。つまり、EOFBはEOLRのUFUB版といえます。百聞は一見に如かず。さっそく例を見ていきましょう。なお、本記事内で用いる画像は黄色U面、青色F面を基準としています。
EOFB Examples
Example1
Scramble:M' U' M' U' M' U2 M' U

Solution(normally):U' M' U2 M U' M' U M2 U2 M'
Solution(EOFB):M' U M' U M' U2 M' U'
M' U M//EOFB
M2//UFUB
U M' U2 M' U'//Finish
<解説>
normallyについては特に言うこともありません。ただAdjacent Arrowを処理しているだけです。
ここで視点を少し変えてみましょう。ULURエッジの代わりにUFUBエッジを用いていたと考えます。すると、このArrowはAdjacentではなくGood Arrowとみなせます。
また、3点交換の判断も既存の方法で可能です。
Example2
Scramble:U' M U M U' M U' M' U M U2 M U

Solution(EOFB):M' U2 M' U2 M' U M U' M2 U' M' U2 M' U2 M2 U'
<具体的な流れ>
M' U2 M' U2 M' U M//EOFB
U' M2//UFUB
U' M' U2 M' U2 M2 U'//Finish
<解説>
ULURを見ると、このEOは4/0のBad caseですが、UFUBに注目するとGood caseです。このように、EOFBの利点はULURならあまり良くないケースでも、UFUBなら良いケースである場合があるということです。
Example3
Scramble:U M U' M U2 M' U M U' M U' M U2

Solution(EOFB):M' U' M' U2 M' U M' U' M2 U M U2 M U'
<具体的な流れ>
M' U' M' U2 M' U M'//EOFB
U' M2//UFUB
U M U2 M U'//Finish
<解説>
ULURを見ると、このEOは2a/0のWorst caseですが、UFUBに注目するとBottom caseです。
最後に、EOFBとmisoriented centerを使った処理の例を見てみます。
Example4
Scramble:M U' M U' M' U' M' U M2 U2

Solution1:M U' M U2 M' U' M2 U' M U2 M' U2 M' U
Solution2:M U' M U2 M' U' M2 U M' U2 M' U2 M U'
<解説>
ULURの視点では2a/0のStack caseですが、UFUBに注目すると2a/0のBest caseです。ULUR的にも悪くはありませんが敢えてUFUBで見てみます。Solution1と2はEOFBおよびUFUBが完了する7手目まで共通しており、次の8手目のAUFから分岐していますがどちらでも完成にかかる手数は同じです。ここで、6手目(EOFB完了)まで回した状態は以下の画像の通りです。

本来であればこの時点でAUF読みができます。それにはUFの色が必要となり、M2を回した後にそのUFの色と同じ色のパーツがUFに来るようにAUFをするというのが次のステップである4c先読みの方法でした。ところが、UFが赤色であるこの場合はどうすればいいのでしょうか?2つのSolutionから逆説的に考えて、この場合どちらにAUFしてもよいと言えるでしょう。もう少し深く突っ込んだ言い方をするなら、L面色(またはR面色)はF,B面どちらの色とみなしてもよいということです。Solution1ならば赤色を緑色に、Solution2ならば赤色を青色とみなして処理しています。
ただ、この考えはあくまで経験則に基づいた仮説なのでEOFBを使ってmisoriented centerにした場合の全てに言えるかは分かりません。
UFUBやEOFBは実用的か?
先にこの問いに答えておきます。実用的ではない可能性が高いです。
その理由は単純で、膨れ上がる判断の難易度に対して見合うだけの恩恵(すなわち、手数の削減)を得られないからです。LSEはそれなりのtpsを維持しつつもノンストップで回しやすいパートです。EOLR入門編の記事でも述べましたが、LSE中のたった数手を減らすために更なる判断をするべきなのかは微妙なところです。EOLRであれば辛うじてその恩恵が得られますが、UFUBやEOFBまで考えると恩恵は無いと言って過言ではないでしょう。また、苦労してEOFBを使って処理したとしても並行交換の出現により、そもそも手数を減らすこともできない可能性すらあるのです。EOFBはハイリスクローリターンと言えるでしょう。
しかし、私自身がUFUBを使っていないためこの結論が正しいとは言い切れません。よって、あくまで実用的ではない"可能性が高い"とぼやかした書き方にしておきます。
ところで、上の議論はスピード競技の観点から見たものです。もしかしたら、スピードはあまり関係がないFMCでRoux methodを用いる際に使えるのかもしれません。ただ、私はFMCに疎いので見当違いかもしれません。悪しからず。
さいごに
ULURの代わりとしてUFUBを用いるという考えはごく自然な流れであり、既にUFUBを紹介している動画もあります。Rouxの巨人、Kianが紹介しています。
そういった中でEOFBという概念が生まれることも同じく至極真っ当な流れであるといえるでしょう。FacebookのRouxerが集うグループでもEOFBという単語を見かけたことがあります。
また、本記事ではUFUBをあくまでULURの代わりとして紹介しましたが、Roux methodを知っている(が、Roux methodがメイン解法ではない)人で、LSEの4bをULURエッジではなくUFUBエッジで処理する人を見たことがあります。ナチュラルUFUBということですね。UFUBメインで4bを処理するのもアリかもしれませんが、ULURエッジは他のエッジと色が違っていて見つけやすいので私はULURでやることをお勧めします。
冒頭でも申し上げた通り、私にはこの技術は今のところ扱えそうにもありません。しかし、これを読んでくれた貴方なら或いは…(ここで手記は途切れている)
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